2011年6月28日火曜日

「ミステリー小説読むんですよ。」

帰宅途中
その商業施設の
建物に挟まれる道路で
シャトルバスに乗る
大人な二人が腕を組んで入ると
音を立ててドアが閉まり
246に入り暫くして車が
Uターンし停止した
小高い坂の中腹に建物は
斜面を活用して建てられていた。


用賀から地上に銀色の車両が出て
すぐ右側に屋上ガーデニング風の
レストランを瞬間で見つけ
思い立ってから実際
きたのは随分後のことだった







トンネルから地上に出て間近
線路の左側には紫陽花が群生し
鉛色の空を背に
紫色や青色の混ざった
帯が視界を飛び去っていく
2時間弱の通勤時間の
ほんの一瞬
僕は車両の端左右
いずれかに
決めなければ
レストランも鮮やかな紫陽花も
両方とも確かめられなかった




「好きなのは森博嗣。すべてがFになるが入門。」











ブッフェカウンターには
デザート類がならび始め
彼女は白い大きな皿にとった
フルーツをフォークで
小さな口に運びながら
そういった。
顔のパーツがサトエリ似って言われた
おいしいこれ今の季節さっぱりしますね








僕は丁度読み始めた
1Q84の
女性主人公の青豆
の想像上の横顔に似てると思ったが
いや、思い込みだが
ムラカミハルキあまり読まないですと
前に聞いたのを思い出し
そのとき素直に言うのを
躊躇した。


今日のように湿度も気温も高く
密着度重視のこないだのような
大人のカップルが2.3組
テラスで食事をしている夜だった

少し松明が焚かれ
足下からの照明が雰囲気を作り
目の前に広がる
二子玉川の夜景が彩りを添えていた。



ミステリーやサスペンスは
一時期好んで読んだが
いつもムリに急いて読み
結末ページをいきなり開くような
下心に潜む下々心は
わけもなく焦っていた

頭を冷やして胸に手を当てて
聞くこともせず
作品を味わい
キャラクターに共感もせず
よせばいいのに
趣味を合わせればと

不快指数が増すと
気温は高く
日差しが強く厳しくなった
僕の頭も血が上り
ヒートマインド現象が起き
ムリなメアド交換が祟り
2、3度やりとりしたが
血が上った頭など
置き去りにするような出来事があり

いつのまにか
メールを送る余裕すら
失せ彼女にとっては
幸いだったに違いない
夏 秋 冬 春
何度めぐったか
はっきりはしていないが




あれから
彼女とは一度も会っていない











Story flux.














2 件のコメント:

krunch さんのコメント...

Smith氏、いいなあ...

ドキドキするようなデートはもう二十年していませんよ。

例のジャケットが上がって来ましたから
それを着てまた...ね!

Streamer Smith さんのコメント...

さて

実際の出来事か

それとも苦心の上の

創作か

自分以外の事実か

んーっ。

ミステリーブログかも知れないですね

と彼女は言った。